共通言語が存在する奇跡と、他言語を学習する大切さ
常田千尋(千葉大学/ 北海道立函館中部高等学校)
- 留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
-
- 王立プノンペン大学外国語学部国際関係学科、カンボジア日本人材開発センター(CJCC)、日本国際協力センター(JICE)、国際交流基金プノンペン連絡事務所
- カンボジア
- プノンペン
- 留学テーマ・分野:
- 大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
私が留学したカンボジアの公用語は、クメール語です。日本にいた時は、周りにクメール語を話す人がおらず、学習するのは大変困難で「もう、クメール語は無理」と思い込んでいました。そのモチベーションのまま留学をすると、英語やその他の自分のできる言語に頼ります。そして、自分の知っている言語が通じない場所ではかなりストレスが生まれてしまいます。 留学期間中に、周りにクメール語がネイティブレベルの人しかいないことが、時に苦しいこともありました。交換留学の授業中には、英語で授業が行われますが、より詳細なことはクメール語のほうが理解が深まりやすい人が多いため、クメール語が頻繁に使われることもありました。インターンシップの期間中も、英語で指示が出されず、自分だけ輪に入れていないと感じる瞬間も多くありました。「英語で説明してくれたら、こんな孤独感を抱かずに済むのに」「英語だったらもっと私は仕事ができるのに」とばかり考えていました。 しかし、私がほとんどの生活を自分が話せる言語でできるのは、英語で話す私に合わせてくれる人がいるから、私がわかる言語をコミュニケーションの相手も学んでくれているからだと気づきました。同時に、相手の言語を学び、話そうと努力することが、相手の国や文化、そして相手そのものをリスペクトする方法だと気づきました。 確かに学習中は、自分だけがついていけない、孤独感を抱くこともあると思いますが、それを乗り越えるからこそ、モチベーションが生まれるのだと思います。私にとって、クメール語はそのような意味でとても大切な言語になりました。 留学終了後、またカンボジアに来ることを計画しています。その際は、私がカンボジアで出会った大切な人たちに、今よりもクメール語で話しかけられるようになっていたいです。この留学は、たくさん苦労しましたが、その分モチベーションに繋がる期間でした。
続きを見る