留学内容
「米国流ボランティア文化を、その背景ごと体感する」ことをテーマに、アメリカで短期留学を行った。計画段階ではボストンとニューヨークでの活動を予定していたが、出発直前にニューヨークでのホームステイ受入が中止となり、計画変更を余儀なくされた。結果的にボストンとニューヘブンで現地NPOの活動に参加、複数都市・団体を経験する中で、制度や文化の違いによるボランティアの意味や役割の差異を身体で掴むことが出来た。
最終更新日:2025年12月18日 初回執筆日:2025年12月18日
語学力:
| 言語 | 留学前 | 留学後 | |
|---|---|---|---|
| 英語 | 挨拶など基本的な会話ができるレベル | → | 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル |
「米国流ボランティア文化を、その背景ごと体感する」ことをテーマに、アメリカで短期留学を行った。計画段階ではボストンとニューヨークでの活動を予定していたが、出発直前にニューヨークでのホームステイ受入が中止となり、計画変更を余儀なくされた。結果的にボストンとニューヘブンで現地NPOの活動に参加、複数都市・団体を経験する中で、制度や文化の違いによるボランティアの意味や役割の差異を身体で掴むことが出来た。
中学2年時にシリア地震の被災地支援に関わったことをきっかけに、社会課題に向き合うようになった。国内外でボランティアを続ける中で、「支援が個人の善意に依存している限り、社会は変わらない」という限界も感じていた。そんなとき、アメリカではボランティアが社会の仕組みとして根づいていることを知り、その背景や考え方を現地で学びたいと思い、留学を決意した。
現地NPOでの活動を通じ、アメリカのボランティアは「支援される側」だけでなく「支援する側の居場所」でもあることを学んだ。また、都市や団体によって、同じ支援活動でも目的や雰囲気が大きく異なり、制度や文化が活動のあり方を規定していることを実感した。帰国後はこれらの経験を踏まえ、日本の教育環境に適したボランティアの在り方について、将来的な提案を見据えながら、そのモデルを構想・検討している。
想定外に対応する力
留学直前にニューヨークでの受入が中止となり、計画の見直しを迫られた。限られた時間と条件の中で、何ができるかを一から考え直し、ボストンでの活動延長やニューヘブンでの代替案を検討した。現地でも未成年であることから参加に躊躇される場面があったが、目的を丁寧に伝え続けることで道を切り開いた。この経験を通じ、想定外の事態に直面しても立ち止まらず、現実に即して判断と行動を重ねていく力が身についた。
今回の留学を通して、ボランティアは個人の善意だけでなく、社会の仕組みとしてあることで持続することを学んだ。今後は、日本の教育環境や文化に即した形で、子どもや若者が社会と関わり、支える側としても成長できるボランティアの在り方を探究していきたい。将来は、現代社会の抱えるさまざまな矛盾や理不尽に向き合いながら、新しい価値観や仕組みを模索、よりよい方向へと社会を導いていく動きに尽力できる人間になりたい。
2025年
8月~
2025年
9月
留学期間前半はボストンに滞在し、現地NPO団体に所属してフードバンクでのボランティア活動に参加した。約1週間、地域住民やスタッフと協力しながら食品の仕分けや配布作業を行い、支援の現場を体験した。また、活動の合間にはスタッフへのインタビューを行い、アメリカにおけるボランティアの役割や考え方について話を聞いた。滞在中はホームステイをし、日常生活の中でも英語でのコミュニケーションを重ねた。
留学期間後半はニューヘブンに移動し、現地のボランティア団体の活動に数日間参加した。ボストンとは異なる地域特性の中で活動に関わることで、同じ支援活動でも目的や雰囲気が大きく異なることを実感した。複数の地域や団体を経験したことで、ボランティアは個人の善意だけでなく、文化や制度と強く結びついた社会の仕組みであると感じるようになった。
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学費:納入総額 - 円 |
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住居費:月額 - 円 |
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生活費:月額 50,000 円 |
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項目:渡航費・現地移動費等 500,000 円 |
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学費:納入総額 - 円 |
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住居費:月額 - 円 |
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生活費:月額 50,000 円 |
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項目:渡航費・現地移動費等 500,000 円 |
ボストンでフードバンクのボランティアに参加した初日、作業を終えた後にスタッフの方と話す機会があった。「なぜこの活動を続けているのですか」と質問すると、「ここは支援を受ける人のための場所であると同時に、支援する私たち自身の居場所でもある」と返ってきた。その言葉に、強い衝撃を受けた。
私はそれまで、ボランティアとは「困っている人を助ける行為」だと単純に考えていた。しかし実際の現場では、年齢も立場も異なる人たちが自然に集まり、互いに役割を持ちながら支え合っていた。誰かのために動くことが、結果的に自分自身の居場所や誇りにもなっている。その姿を目の当たりにし、ボランティアは善意だけで成り立つものではなく、社会の中にきちんと位置づけられた仕組みなのだと感じた。
この経験は、帰国後に日本の社会や教育の在り方を考える上での大きな原点となっている。
留学中、ボランティア活動への参加を申し込んでも、「未成年であること」を理由に受け入れをためらわれる場面が何度もあった。事前に申し込みを済ませ、了承を得ていたはずでも、現地で実際に話をすると難色を示されることがあり、そのたびに状況を確認し、次にどう動くべきかを考える必要があった。
それでも、なぜこの活動に参加したいのか、どんな目的でこの留学に来ているのかを、自分の言葉で丁寧に説明し続けた。トビタテの支援を受けて来ていることや、短期でも真剣に学びたいという思いを伝えると、最終的には理解を示し、受け入れてくれる団体もあった。
この経験を通して、年齢や立場だけで判断される状況に直面しても、感情的にならずに状況を整理し、誠意をもって伝え続けることの大切さを学んだ。同時に、自分の目的を言葉にして説明する力が、行動の選択肢を広げてくれることを実感した。
今回の留学で最も大きな課題は、「未成年」であることを理由に、現地ボランティア団体から参加をためらわれる場面が複数あったことだった。事前にメールで申し込みを行い、了承を得ていた場合でも、現地で実際に顔を合わせると慎重な対応を取られることがあり、計画どおりに活動できない可能性があった。
この課題に対して私が意識したのは、感情的にならず、目的と条件を具体的に伝えることだった。なぜこの活動に参加したいのか、どのような学びを得たいのかを簡潔に説明し、トビタテ!留学JAPANの支援を受けていること、滞在期間や活動内容が明確であることを丁寧に伝えた。また、短期間であっても責任を持って活動する姿勢を示すため、可能な作業内容や時間帯についても柔軟に相談した。
その結果、最終的に受け入れてもらえた団体もあり、活動の機会を得ることができた。未成年での留学では、事前準備に加えて、現地での説明や交渉が重要になる。年齢だけで判断される状況に直面しても、自分の目的を言葉で説明できれば、選択肢は広がると感じた。
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