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出身・在学高校:
出身・在学校:
仙台高等専門学校
出身・在学学部学科:
総合工学科 応用科学コース
在籍企業・組織:

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最終更新日:2026年03月30日 初回執筆日:2026年03月30日

暮らしに溶け込む欧州リユース文化の探究

留学テーマ・分野:
短期留学(3か月以内、語学・ボランティアなど各種研修含む)・海外ボランティア
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Twin English Centere in London, Cancer Research UK(イギリス), SEEDs iceland(アイスランド), Jokela Lower Secondary School(フィンランド)
  • アイスランド・イギリス・フィンランド
  • ロンドン・レイキャビク・ヨケラ
留学期間:
1ヶ月半
総費用:
987,000円 ・ 奨学金なし

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC 630点> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC 760点>

留学内容

環境先進国と呼ばれる欧州では、蚤の市やセカンドハンドショップをはじめ、リユース文化が日常生活の中に自然に溶け込んでいます。そうした暮らしに根付くリユース文化の実態を調査し、「意識が高すぎなくても続けられる、暮らしに馴染む温暖化対策のあり方」を考えたいと思い、約1か月の間にイギリス、アイスランド、フィンランドの3カ国を巡るボランティア留学を行いました。

1カ国目のイギリスでは、リユース文化と寄付文化を組み合わせた仕組みを学ぶため、Cancer Research UKのチャリティーショップでボランティア活動を行いました。利用者へのインタビューや現場での業務を通して、ショップが地域コミュニティの拠点として機能していることや、人々が環境貢献を身近な行動として捉えていることを知りました。また、午前中に通った語学学校では多国籍の同年代の学生と交流し、英語で伝える力と多様な価値観への理解を深めました。

2カ国目のアイスランドでは、SEEDS Iceland主催の10日間の環境ボランティアキャンプに参加しました。参加者との共同生活を通して、廃棄食品から作られた絵の具を広めるワークショップや、観光が地域環境に与える影響についての議論に取り組みました。また、氷河やオーロラなど雄大な自然に直接触れ、気候変動を知識ではなく実感として捉える経験となりました。

3カ国目のフィンランドでは、Jokela Lower Secondary Schoolを訪問し、家庭科や理科などの授業視察、教員・生徒へのアンケート調査を行いました。最初は調査への協力を得るのに苦労しましたが、授業への参加や日常的な会話を重ねて関係を築き、最終的に20名以上から回答を得ることができました。さらに休日には、蚤の市やカフェ、ショッピングセンターなどを訪れ、リユースが暮らしの中に無理なく組み込まれている実態を観察しました。

全体を通して、リユース文化の発展は人々の特別な意識の高さによるものというより、寄付、教育、商業施設、地域といった既存の各国の仕組みの中で自然に溶け込み、支えられていることが分かりました。一方、日本では環境配慮がなお「意識の高い人の行動」と見なされがちであり、今後は今回得た発想を、誰もが無理なく関われる形に置き換えていく視点が必要だと感じました。

留学の動機

2024年に留学したフィンランドで蚤の市を訪れ、誰かが一度使ったものが記憶や想いとともに大切に受け継がれていく様子に心を動かされたことです。大量生産・大量消費を前提としたものづくりの在り方に違和感を抱いていた私は、人々にとっても地球にとっても健全で持続可能な人とものの関係性を学びたいと思い、先進国への留学を決意しました。また、改めて日本を外側から見つめ直したいという強い好奇心も後押ししました。

成果

欧州3カ国を巡る中で、カフェや商業施設など暮らしに必要な機能にリユースを掛け合わせ、無理なく持続可能性を生み出す発想を得ることができました。また、豊かさの感じ方や人生の彩り方は国や文化によって大きく異なり、礼儀はあっても絶対的な「常識」は存在しないことを学びました。そして、今まで常識だと思っていたものは、実は自分の守りたい価値観であり、それは言葉にして発信しなければ届かないことを強く実感しました。

ついた力

機会創出力力

フィンランドで、はじめはホストマザー以外一切何の関係性も無い状態から、日々挨拶や時間を守ること、給食時に自ら話しかけることを心がけ、結果として先生方や学生の協力を得て20名以上から回答を集めることができ、小さな行動を重ねながら周囲と関係を築く姿勢を身につけることができました。どんなに実現が難しく思えても、可能性が未知でも、自分の本当にやりたいことを「わがまま」と抑えず言葉にする大切さを学びました。

今後の展望

高専で金属加工や鋳造、溶接など工業の基盤を学んできましたが、留学を通して、規格に沿った部品づくりではなく、社会に必要とされるものを考え生み出す工業デザインの道に進みたいと考えるようになりました。現地で得た生活や文化、人々の声に寄り添い、そこにぴたりとはまって暮らしを少し豊かにする歯車のようなものを設計したい。将来は日本と海外をつなぎ、価値や現状を伝え合える役割を担いたいです。

留学スケジュール

2025年
10月~
2025年
10月

イギリス(ロンドン)

1カ国目のイギリスでは、リユース文化と寄付文化を組み合わせたチャリティービジネスの仕組みを学ぶため、Cancer Research UKのチャリティーショップでボランティア活動を行いました。利用者へのインタビューを通じて、本場英語の地で語学力を鍛えながらショップが地域コミュニティに与える影響や、人々が感じている環境貢献意識についても調査を行いました。インタビューした限りでは、イギリスの人々は高い物価と人件費が生活の真横にありつつも、何かものを買うことは生活に新しい文化を取り入れられることと考えており、チャリティーショップでは気軽にそれが叶うこと、そして利用することでそれが共感できる慈善活動の支援につながるという利点に共感する声が聞かれました。活動では、初日から主体的に業務を理解し、自ら気づいた点を報告しながら改善を提案していくという姿勢が求められ、日本との働き方の違いを強く実感しました。午前中に通った語学学校Twin English Centre in Londonでは、英語を使ったコミュニケーションに対する抵抗感が減ったことはもちろん、同じクラスのイタリア、トルコ、中国などから来た同年代の学生と交流を深め、海外で働くことを目指す多様な価値観に触れられたことも大きな学びを得ることができました。

費用詳細

学費:納入総額

204,000 円

住居費:月額

360,000 円

生活費:月額

20,000 円

ボランティア活動先のチャリティーショップ
Black Brick Laneの地下ヴィンテージマーケット
語学学校のクラス会で訪れたRoyal Exchange
費用詳細

学費:納入総額

204,000 円

住居費:月額

360,000 円

生活費:月額

20,000 円

2025年
10月~
2025年
10月

アイスランド(レイキャビーク)

2カ国目のアイスランドでは、首都レイキャヴィークを拠点とする環境ボランティア団体SEEDS icelandが主催する10日間のボランティアキャンプに参加しました。環境問題に関心を持つ同年代の学生と共同生活を送りながら、廃棄食品から作られる絵の具を広めるワークショップの開催や、観光客が地域環境に与える影響についてのディスカッションなどを行いました。また、アクティビティでは年々融解が進む氷河の様子や、夜空に広がる巨大なオーロラなど人の手付かずの雄大な自然を目にし、写真やスマホの画面越しでは得られない、気候変動という言葉だけでは想像できない現実を五感を通して実感することができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

60,000 円

生活費:月額

- 円

項目:日本国際ボランティアnice会員登録費用

40,000 円

廃棄野菜を使ったの再生絵の具ワークショップの様子
温暖化の影響で融解が進んだSolheimajokull氷河
観光客の増加が地域環境に及ぼす影響についての意見交換会
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

60,000 円

生活費:月額

- 円

項目:日本国際ボランティアnice会員登録費用

40,000 円

2025年
11月~
2025年
11月

フィンランド(ヘルシンキ)

3カ国目のフィンランドでは、現地中学校 Jokela Lower Secondary School を訪問し、世界的に環境配慮意識が高いとされるこの国で人々の高い意識がどのように育まれているのかを明らかにするため、准教員として家庭科や理科など関連科目の授業の視察を行いました。また、教員や生徒へのアンケート調査も実施しました。最初は忙しさから調査に協力してもらえない場面も多くありましたが、授業への参加や日常的な会話などを通して少しずつ関係を築き、最終的には20名以上から回答を得ることができました。休日は蚤の市をはじめ、カフェ・マルシェ・ショッピングセンターとリユース文化が融合した施設を訪れ、生活の中に自然に取り入れられているリユースのあり方を模索しました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

10,000 円

項目:交際費

20,000 円

ホストマザーに繋いでもらい実現した現地中学校訪問
准教員として参加した日本語のクラス
プレゼントした生徒一人ひとりの漢字ネームカード
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

10,000 円

項目:交際費

20,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

アイスランドのボランティアキャンプで、公園内の小さなキャンプベースに10日間共同生活をした経験は、留学中もっとも価値観の噛み合わせの難しさを感じた出来事でした。同室のフランス人と韓国人の学生とは、生活リズムや時間感覚、行動への考え方が大きく異なり、キャンプのスケジュール通りに進まないことに何度も戸惑いました。また、深夜まで大きな音楽とともに過ごす参加者もおり、最初は「時間を守ること」「行動の先を予測すること」「他の人への迷惑を考えること」が通じないことに混乱し、怒りも覚えました。しかし、さまざまなアクティビティやオフの対話を重ねる中で、それらは絶対的な常識ではなく、自分が守りたい価値観なのだと捉え直せるようになりました。他者との違いに向き合う中で、自分の境界線や価値観を見直すきっかけを得た貴重な経験です。

それぞれの国のレシピを持ち寄って作ったある日の朝ごはん
積雪40cmの中の雪合戦(早朝)
一緒に10日間のキャンプを乗り越えた仲間

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

今回の留学は、計画を立てていた1年間も、実際に留学していた時間も、本当にたくさんの方に支えられて実現したものでした。イギリスでは、現地のチャリティーショップで留学生がどうすればボランティアに参加できるかを一緒に考えてくださった地域の留学支援協会の方、日本国際ボランティア協会の方、費用面で少しでも助けになればと動いてくださった学校の国際交流係の先生方がいました。現地では、語学学校で仲良くなったイタリアの友達が、赤バスに乗り慣れない私にボランティア先まで付き添ってくれました。アイスランドでは、価値観の違いに悩んだときにスタッフの方が相談に乗ってくださり、精神的に救われました。フィンランドでも、滞在を支え、現地中学校への訪問まで申し出てくださったホストマザーをはじめ、多くの方に助けていただきました。右も左も分からない私が無事に帰国できたのは、そうした支えがあったからだと強く感じています。

アイスランド、最終日の夜に

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

留学中に手に入れた大事なものは、ものそのものというより、そこで過ごした時間や人との記憶が宿った品々です。フィンランドの蚤の市に衝撃を受けて以来、セカンドハンドマーケットやヴィンテージショップを巡ることが大好きになったのですが、中でも忘れられないのは、ホストマザーと一緒に冬のグロッキを飲んだときに使った古いイッタラのグラスを、後に偶然ペアで見つけたことです。あの時間のあたたかさをそのまま持ち帰れたようで、とても嬉しかったです。さらに、年代の古いアラビアのコーヒーカップやマリメッコの皿にも、誰かの暮らしの続きのような温かさを感じました。
また、アイスランドで友人たちと交換した手紙も、帰りの飛行機で読み返して涙が出るほど大切な宝物です。同室だったフランス人の友達と一緒に、なかなか言葉にしきれない思いを込めて、朝3時までかけて全員分の折り鶴や似顔絵を描いた時間も含めて、忘れられない思い出になっています。

ロヴァニエミのセカンドハンドショップ
鉄飾り付きのittalaの食器は今ではかなり珍しいそう
日に日に増えていくメッセージカードたち

とにかく手当たり次第にでも相談してみること、その先に意図せぬ機会と巡り会えること

  • 留学先探し : ボランティア

ボランティアは、現地で社会の仕組みが実際に動いている様子を間近に見られる点が大きな魅力だと思います。ただ、目的に合った受け入れ先を見つけるには少し工夫が必要です。私も、蚤の市以外でモノの循環が行われている現場を探す中で、インターネット検索だけでは情報が限られていると感じました。

そこで役立ったのが、①留学相談を受け付けている非営利の地域団体、②現地に拠点を持つ留学エージェント、③語学学校への問い合わせです。これらの機関は、個人では得にくい現地団体とのつながりを持っていることが多く、また安心して情報を得ることができます。実際にイギリスでは、留学支援団体に相談したことをきっかけに、語学学校を通じてチャリティーショップでのボランティアに参加することができました。

また、自分の興味や目的をあらかじめ言葉にしておくことも大切だと感じました。伝えることで、ぴったりの機会につながるだけでなく、思いがけない別の選択肢に出会えることもあります。私自身も、そのつながりからアイスランドでの環境ボランティアに参加する道を得ました。

直接連絡を取る方法もありますが、既に現地とつながりのある機関を通すことで、よりスムーズに受け入れ先につながることもあります。ひとつの方法に限らず、いくつかの選択肢を持ちながら探していくと、自分に合った形が見つかりやすいと思います。

安心して留学生活を送るために妥協しないことは大切、けれど別の国の別の暮らしを体験することもひとつ

  • 住まい探し : ホームステイ

ホームステイというと、「ホストファミリーによって当たり外れがある」といった情報を見て、不安になる方も多いと思います。私も、知らない人との共同生活にはじめは少し緊張していました。実際、慣れない環境で新しいコミュニティに入ることを繰り返す中で、正直ちょっと疲れが取れていないな、と感じる日もありました。
でも、ホームステイにはそれ以上に良さもありました。朝夕の食事が付いて賃貸より費用を抑えられること、現地の文化や生活で困ったときにすぐ相談できる安心感があることです。また、受け入れてくれるということは、自分や自分の文化に少なからず興味を持ってくれているということでもあると思います。だから私は、簡単な日本料理を振る舞ったり、帰るときに部屋へ折り鶴とメッセージを残したり、自分なりの形で感謝を伝えることを大切にしていました。そうしたやり取りがあったからこそ、帰国後もときどき近況を送り合える関係が続いていて、それも留学で得た大きな財産です。70歳のホストマザーがジムに通い始めて「今日は何キロ持ち上げたよ」と教えてくれたり、ペットの様子を送ってくれたりして、地球の裏側の日常が少しずつ見えるのはかなり面白いですよ。
また、ホームステイは事前に候補のホストファミリーの情報が共有されて、その中から選ぶ形になることも多いので、住環境や生活スタイルをある程度知ることができます。個人部屋の有無、バスルームの環境、食事のスタイル、ペットの有無など、自分にとって大事な条件を先に整理して相談してみるのがおすすめです。もし少し合わなそうだと感じたら、無理にホームステイにこだわらず、寮やアパートメント、シェアハウスなど他の選択肢を考えるのも良いと思います。安心して留学生活を続けるために、自分に合うと直感で思える環境を選んでください。

日本の秋をペーパークラフトで持ち込みました
醤油を持参して作った照り焼き
日本のお菓子は北欧では珍しいもので

留学前にやっておけばよかったこと

留学前にやっておけばよかったことは、得たい学びをもとに問いを段階的に整理し、インタビューやフィールドワークの設計をしておくことです。また、現地でどんな写真を撮りたいか、どんな経験を共有したいかなど、仲間と一緒に過ごす時間のイメージももっと具体的に考えておけば、思い出も絆もさらに深まったのではないかと感じています。

留学を勧める・勧めない理由

理想を現実に近づけるための行動力が身につくこと、そして一人では届かないところに多くの人の力で到達できると実感できることです。機会は待つものではなく、自分で動き、言葉にして周囲を巻き込むことでつかめると今回の留学で学びました。そこでの経験や出会いは、その後の選択や考え方に確かな軸を与えてくれています。

これから留学へ行く人へのメッセージ

漠然とした夢はあるのに、現実を想像できず足がすくむ。それが留学前の私でした。気づけば周りは機会を掴み、顔つきも変わっていく。不安ややりたいことを言葉にしても、万全になる瞬間はきっと来ない――そう教えてもらった言葉が今も残っています。だからこそ、今の身の丈でどこまで行けるか、とにかく試してみてほしいです。この体験が、「自分にもできるかもしれない」と思えるきっかけになれば嬉しいです。