ウォンカム真生路

出身・在学高校:
千葉英和高等学校
出身・在学校:
芝浦工業大学
出身・在学学部学科:
工学部・電子工学科
在籍企業・組織:

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最終更新日:2026年03月09日 初回執筆日:2026年03月09日

ロボットコメディ(お笑い)の研究

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ロンドン芸術大学(UAL)・クリエイティブコンピューティングインスティテュート(CCI)・Creative Robotics Visiting Researcher
  • イギリス・イタリア
  • ロンドン
留学期間:
2025年2月10日~2025年8月9日(6ヵ月)
総費用:
1,930,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 960,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<英検準一級、TOEIC 795> ネイティブレベル<IELTS 6.5>

留学内容

某しゃぶしゃぶ店で食事を配膳するロボット「SF 的だ!」と感動したことがきっかけで、人と直接関わる「ソーシャルロボット」に興味をもちました。
この分野では、人とロボットの関わり方や相互作用(HRI:ヒューマン・ロボット・インタラクション)の研究が活発で、HRI の知見を深めるため、本留学を実施しました。
研究室の教員や学生、同分野の研究者等とディスカッションを行ったり、この分野の論文を読み漁りました。半年間、研究に没頭し、「国際学会での発表する!」ことを数値目標として掲げていました。
研究テーマは、「ロボットによるスタンダップコメディ」というもので、ロボティクスとアート(コメディ)の融合を探求するクリエイティブロボティクスという新しい分野の研究を実施しました。具体的には、プロのコメディアンから得られた知見からロボットにユーモアを持たせ、ユーモアによってロボットの受容やコミュニケーションを促進することを目指しました。実験では、実際のお客さんの前でロボットがコメディを実演する “ロボットコメディパフォーマンス” をロンドンで実施しました。1回目22名、2回目は60名以上の観客の前で自作のソフトウェアを用いたロボットと一緒にコメディをやった経験は、エンジニアリングだけでなく、ステージでスベるリスクをおかしてでも笑いを取ろうとするため、きもっ玉力がついたと考えています。
論文執筆も同時並行で行い、国際学会(ICSR+AI 2025)への論文投稿(採択)、およびイタリアでの論文発表、アート系のジャーナル(IJPADM)への投稿(採択)を達成しました。
理論で終わらず、実際の「人」を対象にした研究ができたことは非常に価値ある経験だったと思います。興味のある分野で第一線を走る指導教員のもとで研究できたため、研究に没頭でき、成果につながったと考えています。

留学の動機

研究室見学の時期、漠然と「人生経験として半年間くらい海外留学してみたいな」と思っており、学科主任に相談したところ、海外で卒業研究を実施するという選択肢があるということを知りました。研究内容も興味があり、奨学金がもらえる見込みだったため、留学を決めました。

成果

2回のロボットコメディパフォーマンスを実施でき、学会とジャーナル2本の論文を執筆できました。頑張れば半年で論文一本は書けると言われていたのですが、自分のペースを崩さないことを意識して取り組んだ結果、当時想定していた以上に成果が出たことが非常に嬉しかったです。

ついた力

きもっ玉力

もともと人前で話すことが苦手で、プレゼンでもしょっちゅう頭が真っ白になる癖がありました。予告なく「明後日、授業で研究発表して」と無茶な指示が飛んできたり、ロボットと一緒にコメディを実演しり、イタリアで学会発表したことで、①「失敗は笑いになる」ことと、②「失敗を恐れて挑戦しないことが一番おもしろくない」こと、を実体験を通して学びました。

今後の展望

修士課程に進み、留学先で行った研究を深めていきく予定です。また、研究だけでなく、テクノロジー×アートの作品も作ってみたいです。将来、研究者になるかは決めていませんが、クリエイティビティ×テクノロジーを軸にキャリアを積んで、「一緒にいると生活がちょっと楽しなるロボット」なんかを医療や介護の現場で社会実装できたらいいなと思っています。

留学スケジュール

2025年
2月~
2025年
8月

イギリス(ロンドン)

研究環境と内容:
私が留学したロンドン芸術大学にはアートやデザイン分野が強いですが、最近クリエイティブコンピューティングイングという学部が開設されました。そこは、皆さんお馴染みの「チームラボ」のようなテクノロジーを使ったアート表現が研究できるラボが複数あり、そのうちの一つであるクリエイティブロボティクスラボで半年間研究しました。
「ロボットによるスタンダップコメディ」の研究は、指導教員含め4人のチームで遂行し、困ったときにはテクニシャン(技術スタッフ)と呼ばれる人たちに相談できる環境で整っていました。専門(ロボティクス、AI、アート)や国籍(イラン、ギリシャ、インド、メキシコ、イギリス)が異なるため、学際研究として理想的な場だったと考えています。日本のように「研究室の先輩」という概念はなく、個人作業がメインでした。時期によって変動がありますが、研究をしていた時間はだいたい平日(月~金)9時17時といったところで、土日は観光に行けるうえ、先生に休みがとりたいと相談すればほとんどの場合で「OK」がでるホワイトな環境でした。
ロボットによるスタンダップコメディの研究は、2010年頃から様々なシステムが提案されていました。私たちの研究は、「文化的に繊細なスタンダップコメディアンロボットの開発と評価」を目指しました。そのため、留学期間の前半3か月では、既存のロボットの会話システムを改良し、ロボットが2種類のコメディパフォーマンスを実演できるようにしました。ロンドンで、22名の観客を対象に3分間程度のイギリス風とアメリカ風のコメディをロボットに実演させ、ビデオやアンケートを通してシステム評価や一番ウケたシーンを分析し、ロボット系の国際学会(ICSR+AI 2025)の論文にまとめ、投稿しました。後半3か月では、システムや実験デザインを改良し、ニュートラル、イギリス風、日本風の3種類のコメディを、60名以上の観客を対象にロンドン芸術大学構内で実演しました。最終的に、2回の実験をアート系のジャーナル(IJPADM)にまとめ、投稿しました。モチベーションが下がる時期もありましたが、目標を設定し直し、後半にはもう一本の論文をまとめることができました。目標とモチベーションは密接に関わっているため、僕の場合、目標設定は結果を出すうえで最重要だと学びました。また、留学を通して拘束時間がほとんどなかったことが、自分のペースを崩さないことに繋がったため、こういった働き方が自分に合っていると考えるようになりました。
友人:
研究以外でも、現地の学生や留学生、ソニーから研究をしに留学に来た方など、様々な人と出会いました。Exhibitionを一緒に回ったり、週末にレイブへ行ったり、パブで夜遅くまで語り合ったりと、楽しい時間を過ごしました。トビタテ留学JAPANで知り合った友人と、イギリス各地やドイツのベルリンで開かれた日本文化交流イベント「守破離」に参加したことも印象に残っており、守破離で出会った友人と遊びに行ったりもしました。6か月の研究留学を終えた後、イタリアでの学会に備えてドイツで旧友と1か月生活しました。週1でBBQをしたり、公園でビールを片手に語り合ったりする時間を通じて、短期間ながら現地コミュニティに溶け込み「その国の一部になれた」と実感しました。
宿泊:
宿泊先は、[Homestay.com](http://homestay.com/) というサイトで自分で見つけました。ホームステイ以外も視野に入れれば、SpareRoom もおすすめです。合計20軒ほど申し込み、OKが来たところから、最終的には立地が学校から徒歩20分と近く、ネコがいるようなので、ネコと生活してみたいと思い、ホストもいい人そうな場所に決めました(とてもいい人でした)。滞在した町(Brixton)は治安があまり良くないと言われる地域でしたが、留学中に大きなトラブルに巻き込まれることはなかったです。留学生の中には、正門ロックがあるマンションに住んでいる人もいて、安全性が心配な方はそちらも検討してみるといいかもしれません。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

142,000 円

生活費:月額

70,000 円

項目:往復航空券代(往復)+海外旅行保険・危機管理費用(全期間分

448,000 円

ロンドン芸術大学でのロボットコメディパフォーマンスの様子
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

142,000 円

生活費:月額

70,000 円

項目:往復航空券代(往復)+海外旅行保険・危機管理費用(全期間分

448,000 円

2025年
9月~
2025年
9月

イタリア(ナポリ)

国際学会ICSR(+AI) 2025で論文発表を行うため、ナポリで3日間滞在しました。研究をサポートしていただいたロンドン芸術大学の先生方や、大学知り合った学生・研究訪問者も一緒に参加しました。学会では、論文聴講やワークショップへの参加に加え、自身の論文発表も行いました。様々な研究者とネットワークでき、中でも最終日のダンスパーティーでは多くの人と繋がるきっかけとなり、LinkedInは40名以上増えました。興味がある研究分野ど真ん中の学会だったため、毎日楽しめました。ホテル代は、ロンドン芸術大学から支給していただき、治安が良くないナポリの中でもきれいな所で休息を取れました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

イタリアでの国際学会ICSR(+AI) 2025での研究発表
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中にやってしまった、私の失敗談

2週間後にイタリアで国際学会を控えている中、ドイツ・ミュンヘンでパスポートを紛失しました。地下鉄やバス、路面電車、地上鉄道などを統括する忘れ物センターや行政窓口に問い合わせましたが、結局見つかりませんでした。2025年から日本のパスポートは日本国内でしか発行できなくなったため、再発行して海外に送ってもらうと1か月以上かかります。幸い国際学会の発表を控えていることを伝えると、大使館で「緊急旅券」を発行していただき、無事に発表を終わらせてから帰国ができました。ただし、緊急旅券はすべての国で使える万能チケットではなく、一部地域ではトランジットすら受け付けてくれないです。そのため、当初スウェーデン経由の便を予約していたものをキャンセルし、急遽新しい航空券を購入する必要がありました。また、緊急旅券発行の際には戸籍謄本の原本が必要で、母に1万円かけて国際郵便で送ってもらい、3日後に受け取ることができました。

緊急旅券

事前にNHS登録を

  • 生活 : 病院

イギリスに着いてから5か月後、自転車から落ちて骨折しました。右手だったため、しばらくタイピングが難しかったです。幸い、(保険に入っていたため)医療費は無料で、待ち時間も短く、4時間くらいで見てもらえました(ロンドンでは4時間だと「短い」らしいです)。イギリスに着いて早い時期にNHSというイギリスが運営する公的医療制度に登録していたので、手続きはスムーズでした。

留学前にやっておけばよかったこと

どのような目的で留学するかにもよりますが、僕の場合、研究に専念したかったので、そのために目標設定をより具体的に考えておけばよかったと思っています。
目標が達成できなかったらどうしよう、ということに心配しがちですが、逆に目標が達成できた場合、モチベーションが下がる、いわゆる燃え尽き症候群になってしまいました。次に何をするかを考えておけばよかったと思います。確実なことはもう一度考え直して決めればよい

留学を勧める・勧めない理由

総合的に、留学はお勧めです。留学をしない理由は、留学をする理由より大きく見えるかもしれません。それでも留学を勧める理由は、若いうちにいばらの道を進んだ方が視野が広がり、面白い人生になると思っているからです。

これから留学へ行く人へのメッセージ

これから留学を考えている学生に伝えたいのは、学生時代にしかできない経験を逃さないでほしいということです。社会人になると立場や役割を意識してしまいますが、学生同士ならフラットな関係を築けるので、多様な友達もできます。自分自身がやりたいことを追求しつつ、友達も大切に。