留学内容
私の留学内容は、干ばつと武力紛争の関係を解き明かし、その予防策を1. 学術(理論)と2. 実務(現場)の両面から探求することです。
学術面では、紛争要因を特定して、対処すべき優先順位を明確化し、効果的な予防策を検証しました。
実務面では、専門家との議論や現場視察、インターンシップなどを通じ、草の根レベルの成功事例を国の政策へと反映させる具体的な手法の習得を目指しました。
最終更新日:2025年12月23日 初回執筆日:2025年12月23日
語学力:
| 言語 | 留学前 | 留学後 | |
|---|---|---|---|
| 英語 | 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル | → | 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル |
私の留学内容は、干ばつと武力紛争の関係を解き明かし、その予防策を1. 学術(理論)と2. 実務(現場)の両面から探求することです。
学術面では、紛争要因を特定して、対処すべき優先順位を明確化し、効果的な予防策を検証しました。
実務面では、専門家との議論や現場視察、インターンシップなどを通じ、草の根レベルの成功事例を国の政策へと反映させる具体的な手法の習得を目指しました。
将来は武力紛争を未然に防ぐ政策立案に携わりたいと考えていましたが、インドやエチオピアでのプログラムに参加した際、「机上の理論」と「現地のリアル」の間にある大きな乖離を痛感しました。現場の視点が欠けた機能不全の政策を目の当たりにし、理論と実践の溝を埋め、現場の声を政策に反映できる実務的な視点を養うために、今回の留学を決意しました。
成果は二点です。
第一に学術面で、多岐にわたる紛争要因の中で優先順位を明確化することで、全要因ではなく効果の高いものへ資源を集中させる「予防戦略」を作りました。
第二に実務面で、現場の成功事例を1地域に留めず展開し、研究成果を国や地域の政策へと繋げるため、専門家との議論を通じ、現場と政策を繋ぐ「橋渡し」の力を養いました。
専門外に伝え協力を得る力
専門外の相手にも研究を噛み砕いて説明し、協力を引き出す力が身につきました。研究の厳密さを保ちながら、専門外の相手に伝わる形へ落とし込むバランスは難しかったものの、実務家の関心や理解度に合わせて説明を組み立てることで相手の私の研究内容への理解が深まり、建設的なフィードバックを得られるようになりました。その結果、関係者との連携が円滑になり、研究を前に進める協働関係を築けるようになりました。
困難な状況下でも、できない理由を探すのではなく、「今とりうる最善手」を見つけ出し、組織を一歩でも前へと進める。政策と現場の乖離を、泥臭い調整と実行力で埋められる人材になりたいと考えています。
2024年
9月~
2025年
8月
2024年9月〜2025年8月はエジプト(アレクサンドリア/カイロ)で、E-JUSTを拠点にMaat財団・CCCPA・SEKEMと連携し、気候災害と紛争を結ぶ脆弱性要因の分析と、紛争予防政策の優先順位付けを実施しました。研究成果をもとに実務家向けワークショップも主催し、理論を現場で使える提案へ落とし込む力と、実行可能な最善手を導く調整力を培いました。加えて2024年12月はサウジアラビア・リヤドのUNCCD COP16でパネリストとして登壇し、気候と平和構築の連携(気候平和安保)の必要性を発信しました。
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学費:納入総額 - 円 |
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住居費:月額 - 円 |
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生活費:月額 - 円 |
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学費:納入総額 - 円 |
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住居費:月額 - 円 |
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生活費:月額 - 円 |
エジプトでの経験を通じて、「良い技術」とは何かを考え直しました。現地の工場では、日本の高品質な製造設備が「高性能すぎて運用が難しい」として、むしろ敬遠されていました。現場が求めていたのは超精密さではなく、安価で、壊れにくく、メンテナンスしやすい設備だったのです。この出来事から、品質の高さだけが正解ではなく、使い手の環境や制約に合わせて「無理なく使える形」に落とし込むことこそ、最適解になり得ると学びました。
E-JUSTでの活動初期は調査への協力者が得られず研究が停滞し、一人で抱え込んだ結果、精神的にも追い込まれました。状況を変えるために研究室の外へ出て、スポーツや日常の会話を通じて地域コミュニティに参加し、周囲に相談する姿勢へ切り替えました。その非公式なつながりから私の研究に協力してくれる人を紹介してもらい、研究は一気に前進しました。この経験を通じて、成果は「計画」だけでなく「縁」からも生まれること、そして不確実性を恐れず楽しみながら前に進む姿勢の重要性を学びました。
サウジアラビア・エジプトに留学した、そのほかの先輩たち
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