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山宮ひなた

出身・在学高校:
松本秀峰中等教育学校
出身・在学校:
出身・在学学部学科:
在籍企業・組織:


最終更新日:2025年11月18日 初回執筆日:2025年11月18日

JKが貴重な命に向き合い続けるの現場へ!

留学テーマ・分野:
短期留学(3か月以内、語学・ボランティアなど各種研修含む)・海外ボランティア
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Kaloleni Urban Health Center
  • タンザニア
  • アルーシャ
留学期間:
5週間
総費用:
700,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 590,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<英検2級> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<英検2級>

留学内容

①現地医療現場の視察
医療プログラムの一環として、病院やクリニックを訪問し、現地医療従事者の業務を視察した。特に、産科を中心に、資源や設備が限られた環境でどのように患者と向き合っているのか、効率的な医療提供の工夫や課題を観察した。医療従事者へのインタビューを通じて、異文化環境で働く際の具体的な心構えや課題も探った。
②語学学習とコミュニケーションの実践
語学授業を受講し、英語のスピーキング力を高めるとともに、スワヒリ語の基本フレーズを学んだ。これにより、現地の患者や医療スタッフと直接コミュニケーションを取り、文化や価値観の違いを理解する力を養うことができた。将来の国際医療活動に必要な言語スキルを体験した。
③ヒアリング
この地域で働く中で、最も大きな課題は何か?
困難な状況下で、働き続ける理由は何か?
なぜ仕事場として、この地域を選んだのか?
医療現場で、医者や看護師にヒアリングを行い、活動中は現地の観察やインタビューで得た情報を日記や記録としてまとめた。視察した医療現場の課題や、異文化環境での働き方について感じたことを記録し、留学後に問いの答えを整理する際のデータとして、文化祭で発表した。

留学の動機

新聞の記事にて、紛争地域や医療設備が整っていない国で働く医療者たちの現実を知り、異国の環境で働くことの難しさや課題に興味を抱いた。言語の壁だけでなく、文化や価値観の違い、資源の限界、倫理的なジレンマや宗教の理解不足が、他国で働く際の大きな障壁となる中で、なぜ命に関わる仕事に向き合い続けるのか。この問いを追求することで、異文化への適応力や課題解決能力を身につけ、国際的な視点を育めると考えた。

成果

タンザニア留学を通じて、医療従事者不足や設備の制約の中でも、人々が命に向き合い続ける現実を“現場”で理解できたことが大きな成果です。母親や医療者への聞き取りから、環境ではなく行動と責任感が医療を支えていると気づきました。また、異文化の中で対話し、子どもたちと交流した経験から、コミュニケーション力と国際的視野が広がり、助産師として国際医療に携わりたいという将来の軸がより明確になりました。

ついた力

異文化理解力

病院視察や母親への聞き取り、小学校での箸紹介、多様な文化の中で人々と直接関わった経験から、相手の背景を理解し、価値観の違いを受け入れる力が身についた。特に、限られた医療環境でも家族を支える母親や医療者の姿に触れ、「正しさは一つではない」という視点を学んだ。英語やスワヒリ語でのコミュニケーションを通して、言語や文化の壁を越えてつながる姿勢が育ち、国際社会で働くための基礎となる国際理解力が養われた。

今後の展望

高校卒業後は助産師を目指し、看護学部のある大学に目指してい。その後、助産師の資格を取得し、国内で経験を積みながら、国境なき医師団に参加するという目標を実現するための準備を進める。10年後には、発展途上国や紛争地域で母子医療に携わり、医療支援を必要とする人々に寄り添う活動をしている自分をイメージしている。特に、どのような状況でも一人ひとりの命が大切にされる環境づくりに貢献したいと考えている。

留学スケジュール

2025年
7月~
2025年
7月

タンザニア(タンザニア・アルーシャ)

【語学学習とコミュニケーションの実践】
語学授業では、英語のスピーキング力向上に加え、スワヒリ語の基本フレーズも集中的に学んだ。これにより、病院での患者さんへの声かけや、医療スタッフへの質問を自分の言葉で行うことができ、言語の壁を越えた信頼関係づくりに繋がったと思う。特にタンザニアでは挨拶が何より重視されるため、拙くてもスワヒリ語で「ジャンボ」「アサンテ」などと話すと、皆が笑顔で応えてくれた。この体験を通じて、言語は単なるツールではなく、文化や価値観を理解し、相手を尊重する姿勢そのものであることを深く実感した。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

下校中の子供たちが、声かけてくれて一緒にお散歩。
ホストファミリーの赤ちゃんとシャボン玉遊び。
タンザニアの主食、ウガリ作り。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2025年
7月~
2025年
8月

タンザニア(アルーシャ)

現地の総合病院で、小児科・産科を中心に医療現場の視察を行った。小児科では肺炎や急性下痢症の子どもが多く入院しており、母親が24時間付き添うことが一般的。病院食が提供されないため、食事はすべて家族が持ち寄る仕組みで、栄養の偏りが課題として見られた。産科では、1日に7〜10件の出産があり、そのうち半数以上が帝王切開。分娩室の衛生は十分とは言えず、プライバシーの確保不足など、日本とは大きな差があった。さらに、産後は2人が1つのベッドを共有することもあり、設備の不足が母子のケアに直接影響している現状を目の当たりにした。これらの視察を通して、医療従事者が限られた環境の中でも最大限の努力を続けている姿に触れ、医療提供の在り方や国際医療の必要性について深く考える機会となった。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

病院視察でお世話になったの産科。
初めてみた帝王切開。
生まれたての赤ちゃんを抱っこ。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

私がタンザニアで得たものは、医療探求の学びだけではない。日常生活の中で得た「人とのつながり」や「価値観の転換」は、探求とは別に大きな財産になった。そのひとつが、スワヒリ語で挨拶し、街の人々と交流した経験です。タンザニアでは挨拶がとても重視され、たとえ初対面でも「ジャンボ!」と声をかけると、一気に距離が縮まる。また、街の人々の暮らしの中には、日本にはない価値観が息づいていた。たとえば、時間にきっちりしている日本とは対照的に、タンザニアでは、ゆっくり生きる=ポレポレという感覚がある。急がず、相手をよく見る文化に触れ、「効率よりも関係性を大切にする生き方」があることを知った。市場では知らない人同士が助け合い、困っている人を見かけたら自然に声をかける温かさがあった。こうした日常のふるまいを通して、私は「豊かさとは物の多さではなく、人とのつながりの質である」という視点に気づいた。さらに、サファリで自然を見たときには、壮大な景色の前で自分の悩みが小さく感じられ、人は自然の中で生きている一部であると実感した。この感覚としての学びは、机の上では得られないものだと思った。

サファリで見たシマウマの長蛇。

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

産科を視察する中で特に心に残ったのは、デンマークから来ていた助産師さんとの出会い。国際医療支援の一環として数週間滞在しており、現地の助産師と協力しながらお産をサポートした。私が初めて分娩室に入った日、部屋は清潔とは言えず、ベッドも硬く狭く、落ちたガーゼが再び使われるような光景に衝撃を受けた。しかし、その中で彼女は常に穏やかで、母親に優しく声をかけ、手を握り、安心させるケアを徹底していました。陣痛で苦しむ妊婦さんの背中をゆっくりとさすりながら「あなたは強い。赤ちゃんも頑張っているよ」と英語とスワヒリ語を交えて伝えていた。医療器具や設備が十分でなくても、人の言葉や手の温度がどれほど安心を与えられるかを目の前で見せてもらった。また、出産後の赤ちゃんを母親の胸にそっと乗せ、スキンシップの大切さを現地スタッフにも共有していた。これまで当たり前としていたケアが、ここでは当たり前ではないことを痛感し、ケアの本質について深く考えさせられました。帰国前に私に言ってくれた「道具がなくても、あなたの“姿勢”はどこでも通用する」という言葉は、今でも胸に残っている。素敵なお産をいくつも見せてくれた彼女の姿勢は、私が助産師を目指す理由をさらに強くし、国際医療に携わりたいという思いを確信に変えてくれた。

病院の前にて。

たくさんの予防接種

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

渡航前で特に大変だったのが、数多くの予防接種を短期間で受ける必要があったこと。タンザニア渡航には、黄熱ワクチンをはじめ、A型肝炎・B型肝炎・破傷風・狂犬病・腸チフスなど、多くのワクチンが推奨されている。中には複数回接種が必要なものもあり、スケジュール調整が非常に重要だった。さらに、病院によっては取り扱いのないワクチンもあり、遠方の医療機関を予約して回る必要があった。費用も高額になるため、早めに情報収集し、余裕をもって計画を立てることが大切。これらの準備を丁寧に行うことが、安全で充実した留学につながると感じた。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は、不安もあるけれど、その一歩が大きな成長につながります。現地で出会う人や景色、価値観はきっとあなたの世界を広げてくれます。失敗しても大丈夫。挑戦する気持ちこそが宝物です。思い切って飛び込み、自分だけの経験をたくさんつかんできてください。応援しています!