留学大図鑑 留学大図鑑

小林摩耶

出身・在学高校:
東京都立西高等学校
出身・在学校:
東京外国語大学
出身・在学学部学科:
国際社会学部
在籍企業・組織:


最終更新日:2025年10月17日 初回執筆日:2025年10月17日

日尼のビジネスにおける架け橋に

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • インドネシア大学BIPA、Sinar Mas Land
  • インドネシア
  • デポック・タンゲラン
留学期間:
12か月
総費用:
- 円 ・ 奨学金なし

語学力:

言語 留学前 留学後
インドネシア語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

「日本とインドネシアのビジネスにおける架け橋に」をテーマに、インドネシア大学で8か月間インドネシア語を学び、その後、現地の財閥系企業で4か月間インターンシップを行いました。留学を通じて、インドネシアの中間層のライフスタイルや、日系企業がどのように同国へ進出しているのかについて理解を深めました。

大学留学中は比較的所得水準の低い地域(kampung)に身を置き、地域の子どもたちを対象に日本語教室を開講しました。週2回、日本語や日本文化を教える活動を通して、都市部のkampungに住む人々の生活様式を直接学ぶことができました。

一方、インターンシップでは、勤務先であるSinar Mas Land社が開発するBSD Cityに滞在しました。そこで中間層以上の人々の暮らしを体感するとともに、インドネシア市場において日系企業が中間層を中心とした顧客層にどのようにアプローチしているのかを、実際のビジネス現場で学びました。

留学の動機

自分が幼いころにベトナムで見た貧困。「助けてあげる」という上から目線ではないやり方で、お互いの国が成長するにはどうしたらいいのか悩んでいた時に、ある先輩に出会い、一国の持続的な成長におけるビジネスの重要性に気づいた。人口と面積の規模が大きく、経済的な面でポテンシャルが高いインドネシアを留学先に選んで、現地で言語を学び、中間層研究をしながらビジネスがどのように行われているか自分の目で見たいと思った。

成果

大学でハイレベルのインドネシア語を学び、実践の中で言語運用力を磨いた。現地財閥系企業でのインターンでは日本語授業の実施や日系企業対応を担当し、異文化間での調整力と柔軟なコミュニケーション力を身につけた。さらに、低所得層から高所得層まで幅広い人々と関わる中で、階層を超えた社会構造を肌で理解。数字や理論では見えない、生活に根ざした経済や人々の価値観を学び、両国の架け橋としての視点に近づいた。

ついた力

「どうにかなる」と信じる力

留学当初は時間を精一杯使いたいという気持ちがあったために、一日の予定を細かく組んだりもしていたが、インドネシアでは近い未来に何が起きるのか、バスが何時に来るのか、はっきりとした時間を予期することが難しかった。だからこそ「いつになるかわからないけど、きっとどうにかなる」という楽観的な精神が鍛えられた。
この力は様々な場面で柔軟性と行動力が必要とされるときに活きた。

今後の展望

留学を通じて培った言語力と異文化理解力を土台に、今後は「異なる他者を繋ぐ架け橋」としての役割を果たしたい。現地での生活や企業経験を通じて、多様な価値観の中で対話し、相互理解を深める力を得た。次のステージでは、その経験をビジネスや社会課題の解決に生かし、国や文化、立場を越えて人と人、組織と社会を結ぶ存在を目指す。留学で得た実感と視点を、持続的な関係構築へと発展させたい。

留学スケジュール

2024年
9月~
2025年
5月

インドネシア(デポック)

インドネシア大学BIPA2-3でインドネシア語を学ぶ。インドネシアの文化や経済、政治などをテーマに授業が行われるので、インドネシアの見方もここで学んでいる間に身についたと思う。

同時期に近所の子供たちに日本語教室を開いて授業を行っていた。
空き地にテーブルと椅子を用意して、毎週2日来てくれる子供を歓迎した。6か月弱でひらがなを読み書きできるようになった。携帯なども持たない子どもたちは、日本を知る入口がないと気付いた。だからこそ、日本語教室は日本のことを初めて知る良い機会になったと思う。
日本語教室を通じて地域の人とのコミュニケーションの取り方も学んだ。自分も人に対してオープンになったし、距離の取り方も学ぶことができた。kampungに住む人々の暮らしに触れ、自分の目で見て学ぶことができた。

学期間の休みは国内を旅行した。前は苦手だと思っていた町も、言語力と知識を付けて再訪すると以前は見つけられなかった魅力に気づくことができた。移動は飛行機以外の交通手段も多く試した。電車、バス、フェリー、バジャイ、アンコット、バイクなど、現地の人々と同じように使用し、それぞれの交通機関でどのような乗客がいるのか観察した。

現地の日本人コミュニティーに頻繁に顔を出し、現地で働いている日本人の話をたくさん伺った。インドネシア生活やインドネシアで働く日本人しての視点を伺う以外にも、将来についての相談に乗ってくださる方や学生としての私を気にかけてくださる方が多く何度も救われた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

部屋から見えるデポックの風景
日本語教室で学ぶ子供たち。表情がキラキラしている。
東ジャワに日本語授業のボランティアに行った際の写真
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2025年
5月~
2025年
8月

インドネシア(タンゲラン、BSD City)

インドネシアで最大の財閥企業の1つであるSinar Mas Groupのデベロッパー企業でインターンを行った。同社が所有するBSD Cityに引っ越して中間所得層以上の人々のライフスタイルのなかで生活した。
日本企業と多くのつながりがあったので、日本に関するものにはすべて関わらせてもらった。日本語授業を週二回社員向けに行ったり、BSD Cityを訪問する日本企業のためのプレゼン資料を作成したり、東南アジアで活躍するビジネスリーダーにインタビューを行ったりなど、これまで身に着けてきたすべてを発揮する機会が備わっていた。

インターンシップを通じてインドネシアの中間層に今どのようなトレンドがあって、それにこたえるように日本企業がどのようにインドネシアでビジネスを行おうとしているのか学ぶことができた。またインドネシア語や英語など、どんな言語でも対応できるようになった。
最初は実力も経験もなく、緊張で小さくなっていたが、4か月間のインターンが終わるころには上司に企画提案ができるほど自信をつけることができた。
文化やビジネス慣習の異なる環境で相互理解を築きながら形にしていく難しさと達成感を経験し、海外事業においては「現地理解」と「信頼関係の構築」が成果創出の鍵であることを学んだ。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

イベントにてインタビューする様子
社内で行っていた日本語授業の様子
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

インドネシアには多くの日本人コミュニティがあり、そこで出会った方々には何度も助けられました。特にインターンシップを受け入れてくださった小林真悟さん、そして小林さんを通じて知り合った小林会の皆さんには、感謝してもしきれません。私のような一学生の話にも真剣に耳を傾け、温かい言葉をかけてくださる方ばかりで、将来自分も同じように学生を温かく迎えられる社会人になりたいと強く感じました。

ジャカルタ中心部で毎年開催される「ジャカルタ・ジャパン祭り(JJM)」は、日本をテーマにした一大イベントで、数多くの企業が出資・出店し、現地の日本人だけでなく、日本が好きな多くのインドネシア人も訪れます。その運営も担う小林真悟さんは、多忙の中でも常に日本とインドネシアの架け橋として活躍されており、私が目指す姿そのものだと感じました。小林さんのもとで学べたことは、今後の人生において大きな財産です。

1年間の留学の終わりに小林会で壮行会をしていただいた
JJMの様子

大事なのは語学力より学ぶ姿勢と態度

  • 語学力 : その他の言語

海外でインターンをするのはとても勇気がいることだと思います。とくに英語やその国の言葉の語学力に十分な自信がないときは尚更です。しかし私が感じたのは大切なのは能力よりもなにか学ぼう!という姿勢と、笑顔やあいさつを忘れない態度だということです。
第二外国語学習者である限り、ネイティブにはなれないし、完璧にその言語を話すこともできません。だからこそ、ある程度の語学力が付いたら本当に試されるのは異文化の環境の中でサバイブする力だと気付くことが大事です。シャイになりすぎないで、話題を提供したり礼儀を忘れずにいたりなど、小さなやり取りを大事にすると自分にとっても働きやすい環境になると思います。
指示を待ってただそのタスクをする、目的なしになんとなく行ってみるより、自分がここで何を得たいのか、何を学びたいのかを明らかにして、海外でインターンできる折角の機会を存分に生かしてみてください。

インターンシップ初日にオフィスにいる方々に配ったお土産

これから留学へ行く人へのメッセージ

積極的に、かつ日本人としての道徳心を忘れず、楽しみながら学んでください!