留学大図鑑 留学大図鑑

ふきーた

出身・在学高校:
遺愛女子高等学校
出身・在学校:
都留文科大学
出身・在学学部学科:
文学部国際教育学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2025年09月16日 初回執筆日:2025年09月16日

ウクライナ人学校で英語の先生に!

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Vilnius Kolegija
  • リトアニア
  • ヴィリニュス
留学期間:
11ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • 地域自治体等のもの 830,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

教育格差を研究テーマに、リトアニアの首都ヴィリニュスに1年間留学しました。
現地にあるウクライナの子どもたちのための学校で、2nd~7th grade、10th~11th gradeのクラスで英語を教えました。
「教育格差」とは、教育社会学に基づき「子ども本人には変えることができない家庭環境の違いによって子ども自身の学力や学歴といった教育成果が大きく異なること」と定義されています。つまり、「生まれ」によって人生が決定されてしまう現状のことを言います。現在の日本の教育格差の問題は、この家庭間で生まれた格差が、学校教育を通して世代間で維持または拡大されてしまっていること、また大学の教職課程でこの教育社会学に基づく教育格差がほとんど教えられていないということです。
そこで今回の留学では、社会的に弱い立場とされてしまっているウクライナ難民の子どもたちへの教育を通して、身体的な違いや言語など目に見える違いから、家庭的・社会的なバックグラウンドなど目に見えない違いまで、一人ひとりをよく理解することで誰一人取り残さない教育の実現を目指しました。

留学の動機

わたし自身も地方のひとり親家庭出身ということもあり、自分では変えることのできない不公平や不都合にもどかしさを感じてきました。できないことや達成できないことがあっても、それが本人の努力不足とされてしまう社会に抗うため、留学を決めました。

成果

学習メソッドや評価方法について、複数の先生と共に授業をしていく中で、いろいろ試すことができました。中には格差を拡大させる恐れががあるもの、また格差の軽減や「一人ひとりをよく理解する」上で効果的に思えるものなど発見が多くありました。
また、教育現場をじっくり観察できたことで、教師一人一人の努力を社会全体で求める前に、まずは社会全体としての変化が必要であるという学びもありました。

ついた力

いつでも自分を最高にハッピーにする力

決して全てが思い通りに行くわけではない世界で、わたしが日々幸せを感じることができる工夫と努力を続ける力が身につきました。

今後の展望

現在は、将来大学の教職課程で教育格差を教えることを目標とし、教育社会学をより専門的に学べる大学院への進学を目指して日々勉強しています。

留学スケジュール

2024年
8月~
2025年
7月

リトアニア(ヴィリニュス)

リトアニアの首都ヴィリニュスにて、現地のウクライナの子どもたちのための学校で英語の先生をしました。1年間の実習を通して、教育に関わるたくさんのことを学び、また子どもたちとの忘れられない思い出を作ることができました。
普段の生活では、留学受入機関である大学の寮でルームメイトとふたり暮らしをしていました。寝る部屋を含むすべての生活空間を共にしていたので、現在はお互いそれぞれの出身国に住んでいますが、今でも毎日連絡を取るくらい親友になりました。
そのほかにも、たくさんの温かい素敵な友人と学校の子どもたちと先生たちに恵まれ、毎日の小さな出来事すらも愛おしく、思い出すだけで涙が溢れそうなくらい、充実した日々を過ごしました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

最も一緒の時間を過ごしたルームメイトとわたし
ヴィリニュスのクリスマスツリーの点灯式!
秋休みにはスウェーデンにいる友達を尋ねました
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

この国のことが、とても好きになった瞬間

リトアニアといえば、自然!
ヴィリニュスのサンセットは、ピンクや紫だったり、オレンジだったり、真っ赤に染まる。今まで見てきたどんなサンセットより、一番きれい、きっと、世界で一番きれい。リトアニア人の友達いわく、「空気がきれいだから」らしい。
また、市街地の中やすぐ近くにたくさんの公園や森、湖があり、晴れていて暖かい日は自然と一緒に時間を過ごすのが、リトアニア人の至福の時間。お仕事終わりに湖でひと泳ぎ、公園に行って友達とピクニック、森の中のベンチに座って読書やお絵描き、夜の公園の中を2時間お散歩。リトアニアで過ごした1年間は、今までの人生の中で最も自然の中に身を置いた時間だった気がします。

寮のベランダから見るサンセットがいちばん好き
のんびりお昼寝をしたり、ピクニックをしたり、本を読んだり
まちの中心も緑で溢れてる

あなたにとって留学とは?

わたしは生徒の母語であるウクライナ語もロシア語も話せず、ほとんどの子どもたちは英語を話せず、コミュニケーションの方法をひたすら模索した留学初期。「わたし、ここにいていいのかな」「ウクライナ出身の先生が授業をした方がいいのでは」と、むしろ自分が授業をすることで、子どもたちに悪影響になっているのではないかとすら考えていました。
「自分の代わりはいくらでもいる」そう思い悲しくなった時、「だけど」と強い声がしました。
「それでもここ(ヴィリニュス)にいたい」「それでもこの学校にいたい」その強い感情の奥に潜む、「なぜ」を見つけた時、わたしはこの世界に存在する理由を見つけられた気がしました。
海外に行くことや留学をすることは、絶対に必要とまでは思いませんが、必ずしも自分でなければいけないわけじゃないことを身をもって経験したあの環境は、自分がいてもいなくても世界は回り続けるという事実を教えてくれました。自分の代わりはいくらでもいるという事実のもとで、だからこそ何を生み出せるかと考えることは、この世界で生きる理由を見つけるきっかけにはなるのではないかなと思います。
なので少しぐらいは、あえて厳しく、リスクとハンデを取って、自分自身に挑戦してみてもいいのかなと思います。

3年生の生徒が書いてくれた、日本語でのメッセージ
"Fuka I love you"

お金がないことは、留学を諦める理由にはならない

  • 費用 : 奨学金

留学をするためには、お金がたくさんかかります。わたしも、留学を叶えるためバイトを3つ掛け持ちしながら週6日で働いた時もありましたが、それでも、親の援助なしに学費や生活費を払うとなると、留学を叶えられるだけのお金を貯めておくことは現実的に無理でした。そこで、トビタテへの挑戦を決めました。
留学に行きたい気持ちは、みんな一緒。挑戦を諦めないで。

リトアニア人の親友たちと、リトアニア独立記念日のイベントに

これから留学へ行く人へのメッセージ

「留学に行くと、視野が広がる」この言葉はよく耳にしますが、本当にそうでしょうか。
わたしが今回の留学で感じたのは、「視野が広がったのではなく、見ている領域が変化しただけ」ということ。新しい景色、人、学び、経験、文化、言語に出会うと、今まで見てきたものをついつい忘れてしまいます。変化の連続である留学の日々の中で、どうか、そのとき見えないものを見ようとする姿勢を忘れずにいてほしいです。