留学内容
南米では、蠕虫類のDNA解析が進んでいないため、種分類に関し解決されていない問題が多く、隠ぺい種や未記載種の存在が示唆されている。アルゼンチン北西パタゴニアでも同様に、淡水魚に寄生するDerogenidae科吸虫はこれまで1種のみと考えられてきたが、分類学的に問題を抱えたままで、形態分類に疑問が残り、かつDNA情報は皆無であった。そこで本留学にて、その分類学的再検討を形態及びDNA解析により行った。また、post-cyclic transmissionを検証するため感染実験も行った。

最終更新日:2019年12月25日 初回執筆日:2019年12月25日
語学力:
| 言語 | 留学前 | 留学後 | |
|---|---|---|---|
| スペイン語 | 挨拶など基本的な会話ができるレベル | → | 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル |
南米では、蠕虫類のDNA解析が進んでいないため、種分類に関し解決されていない問題が多く、隠ぺい種や未記載種の存在が示唆されている。アルゼンチン北西パタゴニアでも同様に、淡水魚に寄生するDerogenidae科吸虫はこれまで1種のみと考えられてきたが、分類学的に問題を抱えたままで、形態分類に疑問が残り、かつDNA情報は皆無であった。そこで本留学にて、その分類学的再検討を形態及びDNA解析により行った。また、post-cyclic transmissionを検証するため感染実験も行った。
アルゼンチンにおいて寄生虫の有用性を検証する研究を計画していたが、水温の年変動や外来魚の生物侵略による対象魚類個体群の分布変化や、基礎的研究の欠落により、二生類の分類学的研究に取り組むこととした。
現在形態学解析に基づき、アンデスパタゴニアの湖沼及び河川に生息する在来魚及び外来魚から、Thometrema patagonica(Szidat, 1956)及び未記載種を含む3属3種のDerogenidae科吸虫が発見された。また感染実験より、在来魚から外来魚へ未記載種のpost-cyclic transmissionが確認された。
どうにかなる力
天候不順、停電、断水等自分ではどうにもできない事態に多々遭遇し、時間が解決してくれるのを持つしかないのだから、逐一不安に心揺らされることなく気長に構えておく方が健康的であると学んだ。
現在帰国後DNA解析を進めている。本研究の結果より論文を執筆し、学会発表する予定である。また、南米のHemiuroidea上科に関する研究を今後も継続することを希望する。
2018年
10月~
2019年
9月
1年間、Universidad Nacional del Comahueの寄生虫学研究室で、淡水魚の二生類の分類学的研究をした。主なサンプリング地は、Río Negro州の湖沼及び河川であったが、Neuquén州に足を延ばすこともあった。国内学会への参加は、南米圏の他研究者と接触するいい機会であった。
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学費:納入総額 - 円 |
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住居費:月額 - 円 |
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生活費:月額 - 円 |
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学費:納入総額 - 円 |
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住居費:月額 - 円 |
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生活費:月額 - 円 |
飲食物が安くおいしかった。
何か国にも渡り使用されている言語は、大抵各国各地方で特有の訛りや単語が存在するため、慣れるまで時間がかかって当然に思う。故に、しばらく伝わらなかったり、会話が理解できなかったりしても、気楽に構えてトライしていけば、いつか慣れて問題が解消されてくると考えた。
アルゼンチンに留学した、そのほかの先輩たち